研究倫理審査 FAQ


Q1. 退職等により所属機関のない会員は審査の対象になりますか?

A. 個人だけの単独研究であれば、「個人事業主」に該当すると考えられ、当学会の研究倫理委員会の審査対象になります。研究機関に所属しない研究者個人だけの研究であれば、当該研究者は、個人事業主である「研究機関の長」に該当するものと考えられます。従って、研究者であるとともに、研究機関の長という立場にあると考えます。研究機関の長は、倫理審査委員会の意見を尊重して研究の許可を判断する必要があり、実質的には、外部機関の倫理審査委員会に審査を依頼することになると考えます。一方、日本在宅看護学会研究倫理委員会規程(以下、委員会規程)5条2号イの要件には、「審査を希望する会員(以下「申請者」という。)がその所属する機関のみにおいて研究を行う場合であって」と定めており、上述のとおり、当該研究者個人だけの単独研究であれば、これに該当するものと考えます。また、個人事業主であるため、当該個人事業主が倫理審査委員会を独自に置いていないと思慮されることから、同条項の「当該機関に研究に関する倫理審査委員会(以下「倫理審査委員会」という。)が設置されていない場合」にも該当するものと考えます。よって、委員会規程5条2号の要件を満たしているものと考えます。また、同条1号及び3号の規定を満たすのであれば、日本在宅看護学会研究倫理委員会の審査対象になると考えます。


Q2. Q1の場合、倫理審査申請書の「法人名」「法人の長」の欄はどのように記入すればよいでしょうか?

A. 「法人名」は、商号をお持ちの場合はその商号を記載してください。商号をお持ちでない場合は空欄で結構です。「法人の長」は、申請者の氏名を記載してください。個人事業主の場合、①個人で研究に関する事業を行っているために、商号を持っている場合、②個人の研究活動であって、特に商号を持っていない場合の2つが考えられます。「法人名」の欄にあっては、上記①の場合はその商号を記載し、②の場合は記載不要(空欄)で結構です。また、「法人の長」の欄にあっては、個人事業主とみなされた当該個人の氏名を記載ください。また、研究計画書の研究組織の欄において、個人事業主であることが分かるような一文(例えば、「所属機関なし」など)を記載いただくと、研究倫理委員会では、個人名での申請の理由を理解することができます。


Q3. 大学に所属する会員が個人として申請することはできますか?

A. 研究者が研究機関に所属している場合は、原則として当学会の研究倫理委員会の審査対象外です。
本会は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」は、研究機関に所属している研究者による研究を想定した内容になっていると解しています。しかし、医師の中には、個人開業医が研究を行っている実態もあることから、個人事業主を規定しているものと解しています。この解釈を前提にして、本学会の研究倫理委員会では、自施設に研究倫理審査を行う機関がないために研究活動に支障が生じている会員を支援することを想定しています。従って、研究者が研究機関に所属している場合は、本学会の研究倫理委員会による審査対象外となります。ただし、当該研究者が、非常勤職員などの理由で、所属している研究機関で倫理審査を受けられない場合は、個人で行う単独研究については、個人事業主として本会の倫理審査委員会へ申請できるものと考えます。このような例外的な事情で申請する場合は、その理由を明確にした文書等を求める場合があります。